IQアップと脂肪酸の親しい関係

本記事は神戸ナカムラクリニック中村篤史院長から許諾いただき、「院長ブログ」に掲載された「IQ」を再編集したものです。

IQをあげるための方法

事実として、IQが高い人ほど社会的地位が高く収入が多く学問的に成功し、逆にIQの低い人ほど失業したり、貧困に陥る可能性が高いということが統計的に示されています。(Cattell,1983; Itzkoff,1991,1994)

IQは、生まれつき決まっているものだと思っていませんか?実は上げられるのです

アメリカ政府の大々的な支援のもと、環境因子の調整によってIQを上げようという試みがありました。「Head Start Program」というものです。リンドン・ジョンソン元大統領は、公立学校の教育内容の抜本的な改革に取り組むことを宣言し、「5,6歳の子どもたちは貧困階級に生まれただけであって、自らの失敗のせいで貧困に陥ったわけではない」と語りました。この改革には112億ドルもの予算が投じられました。そして、結果はどうだったかというと、学業成績の短期的な向上が見られました。でもそれだけでした。IQも上昇せず、ましてや貧困階級から抜け出せることもなく、全くの失敗に終わったのです。(Spitz, 1986)

アメリカ政府は莫大な予算をつぎ込みましたが、「環境要因こそがIQを左右する原因だ」という思い込みのために、生物的要因からのアプローチを無視した当然の結果でした。一部の専門家にとっては予想通りでしたが、彼らはIQに大きく影響するのは、遺伝的要因あるいは生物的要因であって、環境要因ではないことを知っていました。(Brody, 1992; Plomin, 1993; Vernon, 1989)

ビタミンとミネラルがIQに与える影響

その一方で、ビタミンやミネラルのサプリメントを使った生物的要因へのアプローチはるかに有効性が期待できるのです。(Schoenthaler, 1991)
ビタミンやミネラルは身体的精神的な機能に直接的に影響します。たとえば不摂生な食生活をすれば、カロリー過剰でありながら様々なビタミンやミネラルが欠乏する。(Axelson & Brinberg, 1989)
逆に、サプリメントでそうした栄養素を補うことによって、IQが向上することが示されています。(Dean & Morgenthaler, 1990; Dean, Morgenthaler & Fowkes, 1993)
そして、IQの向上ばかりではありません。栄養面の改善によって、犯罪者の反社会的行動さえ大幅に改善することが見出されているのです。(Eysenck, 1991)

「人は、食べ物でできている」と昔から言われているように、栄養が身体的にも精神的にも重要であるということは、決して新しい考え方ではありません。学者の使命は、「各個人間のIQのばらつきは、ビタミンやミネラルの摂取量の違いによるものであるという事象を統計的に実証できるかどうか」だと思います。これについて、栄養欠乏症に陥らないためのギリギリの値を定めたにすぎない栄養摂取量(RDA:Recommended Dietary Allowances)さえ守っていれば栄養的に万全だという根拠を元に、一般的な栄養学者はこの問いにはNOと言っています。

たとえば、脚気にならないための最低限のビタミンB1摂取量であり、壊血病にならないための最低限のビタミンC摂取量が基準値になっています。つまり、RDAはその基準値の決定に際して、体の症状を目安にしているわけで、精神面での必要量はまったく考慮されていないのです。

そこで学者たちは、精神面での影響を調べるために記憶力に注目しました。(Cherkin, 1987)
ナイアシン、コリン、葉酸の欠乏によって認知症になる可能性があるのですが、これらをサプリメントで摂取することで症状が改善することが示されたのです。ナイアシンは健康な人においてさえ、短期記憶を大幅に強化しました。(Loriaux, Deijin, Orleheke, & De Swart, 1985)

また、アミノ酸(チロシン、トリプトファン)や、コリンやアセチルCo Aといったアセチルコリン前駆体にも同様の効果があります。「極度の養失調に陥っている子どもはIQが低い傾向がある」ことは事実として分かっています。(Stein & Kassab, 1970; Winick, Meyer, & Harris, 1975)ただし、こうした子どもたちは虐待や貧困など、IQを下げる交絡因子が多いため、ここから結論らしきものを引き出すことはできません。

以上の事柄は、以下の文献から中村先生が翻訳したものです。20年近くも前、1999年に出版された本です。データは古いですが、今でも多くの学びがあります。

参考文献

Raising IQ level by vitamin and minral supplementation

現在では、砂糖よりも害がある人工甘味料も普通に使用されています。遺伝子組み換え食品が日常になりました。バグリホサートなど新たな農薬も開発されています。医療業界と製薬業界の連携も強固になっています。つまり、20年前より私たちを取り巻く環境が悪化しているのが現在の実情です。昔から栄養の重要性は言われているのに、現代の食環境はひどくなっていますし、医師はサプリメントの力を見直すどころか相変わらず投薬一辺倒です。時代とともに科学は進歩し、人間も賢くなるはずなのですが、残念ながら人類は退化しているのかもしれません。

少し新しい論文からご紹介します。

ドコサヘキサエン酸(DHA)やアラキドン酸(AA)は哺乳類の神経系の発育に重要です。特に、ヒトは妊娠中の第4四半期から生後数か月の期間に、脳におけるDHAやAA
の容量が急速に増大します。そして、胎児(あるいは新生児)は、完全に外部からの供給に依存しています。

「妊娠中あるいは授乳期間に、母体が高用量のオメガ3系不飽和脂肪酸(DHA/EPA)を摂取することによって、子どもの知的発育に好影響を与えるのではないか」という仮説のもとに実験をおこないました。妊婦あるいは授乳中の母親を2群に分け、一方にはオメガ3系超長鎖多価不飽和脂肪酸(タラの肝油DHA/EPA)を、もう一方にはオメガ6系長鎖多価不飽和脂肪酸(コーン油)を与えました。4歳時点で知能検査を行ったところ、タラ肝油摂取群はコーン油摂取群よりも有意に高いスコアを示しました。頭部の周囲径にも有意な差が見られましたが、誕生時の体重や胎児径に相関はありませんでした。重回帰モデルにおいて、妊娠中のDHAの摂取が子供の4歳時点での知的スコアの統計的有意差を説明する唯一の変数であることが示されました。

参考サイト

Maternal Supplementation With Very-Long-Chain n-3 Fatty Acids During Pregnancy and Lactation Augments Children’s IQ at 4 Years of Age

編集者の見解
中村先生いわく、知能が高いということと、その子が我が子としてかわいく愛着を感じるかというのは別の話とのこと。IQが低くて社会的に成功しなくても、人間として愛すべき人柄とか性質を備えてさえいれば、本当の幸せをつかむ可能性が高いような気がします。ちなみに中村先生も子どもが飲めばIQが高くなるというエビデンスのあるサプリメントをしばらくの間摂取したそうです。IQが上昇したかどうかはわかりませんが、やたらと数学や統計学の問題を解きたい気分になったそうです。ロジックを使う知的作業に打ち込みたくなるような感覚。脳に負荷を与えて、かつ、それに耐え抜いて見せるぞという意欲がわいてくる感覚があったそうです。

私は、炎症作用のあるオメガ6系不飽和脂肪酸の過剰摂取によって長く炎症体質でした。フェリチン値が異常値を示していたので改善のためにEPA/DHAを摂取しました。これは抗炎症作用のあるオメガ3系不飽和脂肪酸によってエイコサノイドを拮抗させる目的でした。こうした別の目的で摂取したオメガ3系不飽和脂肪酸でしたが、言われてみれば確かに集中力が高くなった感覚があります。中期事業計画の策定や、論文の執筆が捗り、諸々アイデアがわいてきます。最近、妙に頭が冴えてるなと自覚していたのですが、ちゃんと科学的な理由があったのだと思います。


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ABOUTこの記事をかいた人

續池均

プロアスリートチューニングサロンMYONPATHY Muscle Labダイレクター
セブンシーズ・アンド・パートナーズ株式会社代表取締役

大学卒業後、食品メーカーに7年勤務し、ITベンチャー企業へ転職。2005年12月に事業管掌役員として東京証券取引所マザーズ市場に上場を果たす。その後、独立起業し現在に至る。
現在は、三児の父として育児のかたわらボランティアで「小学生低学年および園児向けサッカー教室」の運営や「学生の就職活動支援カウンセリング」など社会起業家として活動している。「ミオンパシーは、人々の痛みを癒し笑顔にすることができる」という理念に共感し、社会貢献の一環としてミオンパシーサロンUROOMを開業。